江戸時代のはじめ、全国を行脚した儒学者、林春斎が「日本国事跡考」において卓越した三つの景観『日本三景』と称えられた『松島』、『天橋立』、『宮島』。
海の青と松の緑が対象の妙をなし、その美しさは人々の心の琴線に触れ、いつの世も変わることなく人々を魅了する、 日本人の旅の心の原点です。 (
『日本三景公式サイト』 より一部抜粋)
ということで、本日より三日間連続で【日本三景】をお送りします。
第一回の今日は、【日本三景】第一景、『松島(まつしま)』です。

『松島』とは、宮城県の松島湾内外にある大小260余りの諸島および、その湾周囲を囲む松島丘陵も含めた修景地区のことで、ある特定の一つの島を指しているわけではありません。
『雄島(おしま)』

雄島は松島海岸べりの景勝の地で、橋を渡ってすぐに行ける海に突き出た島です。
『奥の細道』で有名な松尾芭蕉は、松島海岸に上陸した次の日に当時奥州随一の禅寺とされた松島の古刹瑞巌寺を訪れ、その後、雄島に向かったと記録にはあります。
残念ながら、芭蕉は松島では俳句をまったく詠んでいませんが、島のいたるところに芭蕉と弟子の曾良の歌碑が立っています。

古来、雄島全体が霊場であり、僧たちの修行の場であったので、修行僧の別室の跡や座禅した石などが残っています。
なんとも厳かで不思議な雰囲気が漂っています。
『松島島巡り遊覧』

松島湾内には遊覧船が就航しているので、船上から島々の美しい眺めを楽しむことが出来ます。
松島の大部分の地層は砂岩、れき岩などで出来ており、波に洗われる部分はやや容易に侵食され、白から灰白色の岩肌を見せて、それがまた独特の景観を生んでいます。
特に小島では、松が生えている島の頂部よりも、海水面近くが波に洗われてえぐれており、ややキノコに似た形になっているものもあります。
「牡蠣の養殖」

この辺りでは牡蠣の養殖も盛んです。
日本三景の一つ、『安芸の宮島』付近も牡蠣の名産地。なんとなく繋がりますねぇ。
「The Birds」

ところで遊覧船の船尾でカモメの餌(カッパえびせん)を売っているので、カモメがめちゃくちゃ船上にいます。
子供が喜ぶもんだから、カッパえびせんの大盤振る舞い。
カモメ慣れたもので、人の手から直接取ることも出来ます。カモメがこんなに器用だとは(汗)
そのカモメの群れっぷりはヒッチコックの『The Birds』を彷彿とさせ…ブルッ
よって遊覧船前半は『松島』ではなく『カモメとカッパえびせん』を眺め続けることになります。

侵食や風化作用を受け易い地層の上に松島は成り立っているため、長い間に風景も少しずつ変化してきたと考えられ、過去の松島と、現在のそれとは微妙な違いがあると考えられています。
芭蕉が見たのとはまた違ってるんだろうな〜と思うのもまたロマン☆
ところで、松島のなかには、かなり大きい島もあって、普通に人が生活していたりします。
小さい島ばかりと思っていたので、船から民家や学校らしき建物を見たときにはちょっとビックリしました。
景勝地に住むってどんな感じかしら☆(意外と不便かも…)
『観瀾亭(かんらんてい)』

遊覧船のりばから海岸を歩いていくと途中に、観瀾亭という建物があります。
「観瀾(かんらん)」とは、さざ波を観るという意味。

観瀾亭は、もともと豊臣秀吉の伏見桃山城にあった茶室を伊達政宗がもらい受けて江戸の藩邸に移してあったものを二代目忠宗が納涼観月の亭にと、 海路松島へ一木一石変えずに移築したものです。
公式記録では、藩主や姫君などの松島遊覧、幕府巡見使などの諸国巡回の際の宿泊及び接待用の施設として利用されていたようです。

素木造り平屋建てで屋根はこけら葺き、三方が縁側で部屋は京間が2室。
この縁側からは、お茶とお菓子をいただきながら松島らしい景色を楽しむこともできます。(※拝観料込 600円)
拝観時間:8:30〜17:00
拝観料:大人/200円 高・大生/150円 小・中生/100円
『松島』
松島島巡り遊覧船のりばアクセス: JR仙石線・松島海岸駅下車 徒歩5分 (仙台駅から快速列車で約30分、普通列車で約40分)
松島観光協会/〒981-0213 宮城県松島町松島字町内98-1
地図TEL:022-354-2618
営業時間:8:30〜17:00(4月〜11月) 8:30〜16:30(12〜3月)
休業日:12月31日
電脳松島絵巻(松島観光協会HP)